最新ニュース

最大限度のあなたの合法的権益を保護する

「中華人民共和国反不正当競争法」(改正案)についての解説

2017-03-21/ 弁護士コラム/ 金英蘭  張楊立

「反不正当競争法(改正案)」(以下「改正案」という)は、2017年2月22日に、第12期全国人民代表大会常務委員会第26回会議審議に付託されました。これは、「反不正当競争法」が1993年に施行されて以来、最初の正式な改正審議となります。

1、発布の背景

現行の「反不正当競争法」は、1993年の施行以来、重要な役割を果たしてきましたが、中国経済の発展に伴い、新しい業態、ビジネスモデルが次々に出現しており、現行法には、少なからず現在の状況に適応しない部分がありました。例えば、明らかに不正当競争性を有する特定の行為について、規定がなされていなかったことから、法執行の根拠が十分ではなく、また、「独占禁止法」、「入札募集、入札法」等の法律の内容と一部重複があり、一致しない部分さえありました。

「全面深化改革に係る若干の重大問題に関する中共中央の決定」における市場監督管理体系の改革を具体化し、不正当競争を防止し、かつ、統一的に開放され、競争に秩序のある市場体系を確立するため、中央全面深化改革指導チームは、現行法の改正を全面深化改革の作業要点とし、国務院は、2016年の立法作業計画において、当該法の改正を全面深化改革において急務とされるプロジェクトに組み入れました。

2、主な内容

1)インターネット分野における不正当競争に係る条項の追加

現行の「反不正当競争法」は、1993年に制定されたもので、インターネットは当時、全く発展していませんでした。そのため、これまで、インターネット分野における不正当競争行為については、第2条の「自由意思、平等、公平、信義誠実信用」の原則及び不正当競争の定義に基づき法の執行をせざるを得ず、有効性及び対象性に欠けていました。改正案では、インターネット分野における不正当競争行為の規定が新たに追加されました。インターネット業界における不正当競争行為について詳細に分類し、インターネット業界競争の「基本法則」を制定しました。

2)商業賄賂関連規定の整備

商業賄賂管理の必要性から、取引に影響を与える可能性のある第三者に対し経営者が贈賄してはならない旨の内容が追加され、また、従業員による商業賄賂行為の認定についても規定がなされました。改正案第7条に基づき、経営者が雇用する従業員が賄賂を利用して経営者のために取引機会の取得をはかり、又は競争上優位に立とうとする場合には、経営者の行為と認定されなければなりません(従業員個人の行為である旨を証明する証拠を経営者が有する場合を除く)。また、商業賄賂の行政処罰についても、調整がなされ、「違法行為の停止を命じ、10万元以上300万元以下の罰金を科す。情状が重大である場合には、営業許可証を抹消する」と改正されました。

3)商業秘密侵害関連規定の調整

改正案では、商業秘密権利者の従業員及び前従業員による商業秘密侵害の事由についての規定が追加され、また、国家機関業務員及び弁護士、登録会計士等の仲介人員の商業秘密の秘密保持義務についても定められました。

4)関連する法律との関係の整理

反不正当競争法の施行以来、前後して「独占禁止法」、「入札募集、入札法」等の法律が制定され、「商標法」、「広告法」についても改正がなされました。改正案では、公用事業単位による競争の排除、行政独占、ダンピング、通謀による入札募集、入札に係る規定が削除され、行政上の法執行の根拠が統一されました。また、商標に係る権利侵害に関連する内容が追加され、「商標法」とつながることになりました。

5)民事賠償優先原則の確定及び違法行為の信義誠実システムへの記録

改正案では、民事賠償責任優先原則が確定され、経営者が民事賠償責任及び行政処罰を同時に負う場合において、その財産が同時支払いに不足するときは、民事賠償責任を優先することになりました。また、経営者が不正当競争行為により行政処罰を受ける場合には、監督管理部門が信用記録に記入して公示をすることになりました。

3、弁護士のコメント

1)改正案に基づき、商業賄賂又は商業秘密侵害等の不正当競争行為に従業員が関与した場合には、従業員個人の行為である旨を経営者が証明することができる場合を除き、経営者の行為とみなされます。よって、企業は、従業員の行為に対する規範化を強め、従業員マニュアルにおいて明確な規定をしておく必要があります。また、商業賄賂の行政責任にも比較的大きな変化がみられ、罰金額が大幅に引き上げられ、営業許可証抹消の規定が追加されたほか、現行規定における違法所得没収の内容が削除されたことについては、特に留意する必要があります。

2)改正案の意見募集期間は、2017年3月25日までとなっており、各企業は、関連する動向に引き続き注目していく必要があります。

(法令原文リンク:http://www.npc.gov.cn/COBRS_LFYJNEW/user/Law.jsp

携帯電話でQRコードをスキャンして、
ニュースを共有します。